[#8]【シュート動作】動作精度に影響を与える身体の意思決定、制御方法
EN-TRAINトレーナーのぱらとです。
この記事ではTwitterでの発信を深掘りしていくことで物理的な本質からパフォーマンスアップを図るお手伝いをしていきます。
取り上げるツイートはシュート確率改善のための内容という事でStephen Curryの3Pコンテストの時の連続ショットから見る身体を動かす時の意識の制御について解説したコチラ。
身体を動かす時の情報の引き出し方
今回の内容は意識の制御に関する内容ということで力学目線の解説から逸脱した内容です。
しかし、人の行動原理に関連する内容でありスポーツの場面でも大いに関係するのでピックアップしました。
私たちは五感から得られる情報に基づいて脳から知識・経験を引き出し判断・行動します。
自動処理と制御処理
脳から情報を取り出す方法は行動心理学によって大きく2種類に分けられ自動処理と制御処理とよばれています。
自動処理は無意識のうちに行われる記憶情報の取り出し方、意識することなく行動に利用されます。
例えば歩くときに足をあげる、手を振るといった動作も自動処理で記憶が引き出され歩く動作に還元されています。
制御処理は意識的に注意を向けて記憶情報を取り出す方法です。
制御処理で取り出される記憶は私たちが自ら意識して判断し行動に利用します。
例えば床に転がっているボールを拾ってパスして、と指示されたとします。
指示内容に対して一連動作には自動処理の行動も含まれますがボールを拾う・パスをするという行動は意識して行う必要があるので制御処理で記憶が引き出されて動作に還元されます。
行動の結果だけ見るとどちらの情報処理でもスムーズに行動しているように見えるのが人間の脳の素晴らしい所ですが、それぞれの情報の引き出し方には2つの大きな違いがあります。
それぞれの処理の特徴
1つ目は処理速度の差、自動処理は意識を介さないので認識から行動までが素早いですが、制御処理は意識を介するため判断の行程を挟み認識から行動まで多少ラグができます。
2つ目は行動の柔軟性の差、自動処理は認識に対して反射的に行動するので認識が誤っていたり認識後に状況が変化して行動自体が誤りになってしまうリスクがあります。
一方で制御処理は行動の前に判断の行程があるので認識の誤りや状況の急変などを検知して別の行動に切り替えるといった柔軟性を発揮できます。
ここでようやくバスケでの話になりますが、全ての行動を制御処理で行うと瞬間の動き・連動的な動きを求められるバスケでは高いパフォーマンスを発揮することはできません。
かといって身体の反射に任せて自動処理で行動ばかりしていれば状況判断が正しく行われずミスを連発します。
判断するべき行動と身体の反応にまかせるべき行動をきちんと区別して行動に落とし込めるとミスを減らせると言えます。
今回ピックアップしたCurryのシュート動作は一定のリズムで連続してシュート放るシチュエーションのため、基本的には自動処理で身体を動かしていると思われます。
恐らく制御処理で認識してるのはボールが飛んでいく位置とタイミングだけで、キャッチからリリースまでは自動処理でオートマチックに処理している可能性が高いです。
※実際にどちらの処理で行動しているかは外観からは判別できません。
簡単にまとめると人間の情報処理方法は2つあり、シチュエーションに合わせ適切な情報処理を選択して身体が効率的に動けるようにできると動作精度を高めやすいというわけです。
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