[#10]【ジャンプ動作】空中動作の効率が向上するスウィートスポット
EN-TRAINトレーナーのぱらとです。
この記事ではTwitterでの発信を深掘りしていくことで物理的な本質からパフォーマンスアップを図るお手伝いをしていきます。
取り上げるツイートは空中動作の自由度を上げるための概念であるスウィートスポットを解説したコチラ。
スウィートスポットとは
Twitterの発信でも割と頻繁に登場させている「ジャンプのスウィートスポット」という言葉。
この言葉自体は今回深堀りする"空中動作のジャンプ局面ごとの違い"を私が勝手に呼んでいるだけなので一般的に浸透している言葉ではないことを予めお断りしておきます。
スウィートスポットの概念は慣性の法則を利用したものです。
普段ドリブルしたりシュートしたりする際、自分の意思でボールをコントロールできているのであまり気付かないかもしれませんが身体が前後左右様々な方向に動こうとしたときボールはその場に残ろうとする・同じ方向に動こうとする力が働きます。
これが慣性の法則という物理法則で空中でも当然働きます。
スウィートスポットでのボールと身体の挙動
ジャンプ動作は上昇局面・停止局面(最高到達点)・下降局面の3つに分類されますが身体が上昇しているとボールはその場に残ろうとして身体視点ではボールが下降していく相対的な動きとなります。
停止局面では身体もボールも重力から一瞬解放されるタイミングなので相対的に見てもお互いの動きは揃っています。
下降局面では身体が下降してボールは残ろうとするので身体視点ではボールが上昇していく相対的な動きとなります。
相対的なボールの動きと同じ方向でボールを動かすのは力の方向が揃っているので軽い力で楽に動かすことができます。
逆に相対的な動きに逆らってボールを動かそうとすると動きに逆らう分の力と自分が意図した方向に動かすための力の両方が必要となり余計な労力を消費します。
そのため、ダブルクラッチのような一度下げたボールを再度持ち上げてリリースする動作の場合はジャンプの上昇局面や停止局面で無理やりボールをあげとうとしてもかなり腕力を使うことになり動作ブレを起こしやすくなります。
身体の落下に合わせることで自然とボールが身体に対して上昇していくのでそのタイミングでフィニッシュのためのコントロールをすることで小さな力で最大のコントロール力を得ることができます。
実際の動作中にこれらを考えながら動くことはないですが、概念として理解しておくことで動画などで撮影して確認する際のフィードバック情報量が増え改善しやすくなると考えています。
引用したHolidayの動きではジャンプ頂点の停止局面付近でボールを素早く下げて、下降局面でボールを掬うように持ち上げてリリースしています。
DF2人をすり抜けてブロックを回避するため、できるだけボールを上げた状態をキープしてボールの注意を上方向に向けさせる工夫がされています。
もしDFがダブルクラッチを警戒してボールを下げた位置をケアしようとするとHolidayはボールを下げずにフィニッシュすれば良いわけで、しかも一度腕を下げるとDFの腕にも慣性の法則が働き腕を上げるのが困難になります。
無理に腕を下げて接触すればAND1を与えかねないのでこれ以上のプレッシャーをかけるのは難しいと言えます。
今回の内容はYouTubeでも図を交えて解説しているのでより理解を深めたいと感じたら見てみてください。
NBA選手の実際の動作で解説した動画もあるので実践動作で理解を深めたい人はこちらを参照ください。
スウィートスポットという言葉の本来の意味は力を加えた時に返ってくる力が最大化される接触点の事を指しています。
野球のバットやテニスラケットの芯がこれに該当します。
一定の力で最大の仕事をするポイントということで今回深堀りした内容に当てはめて呼ばせてもらっています。
是非実際のバスケの場面でご活用ください。
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