[#37]【シュート動作】ストップのエネルギーをシュートのエネルギーに利用する
EN-TRAINトレーナーのぱらとです。
この記事ではTwitterでの発信を深掘りしていくことで物理的な本質からパフォーマンスアップを図るお手伝いをしていきます。
取り上げるツイートはCurryのトランジション3Pのときのストップ動作を解説したコチラ。
現代ではトランジションで当たり前に3Pを放る
速攻などでボールプッシュから3Pを放る場面というのはNBAに限らず昨今のバスケットボールではよく見かける光景になったと思います。
ここで3Pを選択する是非については戦術面や確率論のお話しになるので置いておくとして、シュートとしてリリースするのであれば少しでも外れる懸念点を排除してシュート動作に移行したいものです。
今回引用したCurryの3Pのように走り込んで放るシュートはC&Rで放るシュートに比べると身体が前方方向に勢いがついた状態です。
そのため、C&Rとは身体からボールに伝えるエネルギーの内訳が少し異なります。
C&Rで放る場合はその場のショートストップ(ホップ)や小さなミート動作を導入としてディップ動作に移行していくと思います。
この時ボールを飛ばすために身体が受ける力はホップ系動作(またはその場の抜重動作)による床反力を基本とした力となります。
実際にシュート動作を思い返してみれば分かりやすいと思いますが、ディップで地面を押した感触を確かに感じながらその力が膝-腰-肩-腕と伝わっていきボールが思ったように飛んでいくのがシュート動作です。
リリース動作は1モーション/2モーションの違いやSWEEP&SWAYの違いによって差は出ますがボールは下から上に、そして放られてからは放物線を描いてリングに吸い込まれていきます。
C&Rの場合はボールをキャッチする位置によってディップ動作までのボールの動きはバラつきますがディップ後の動きはその人個人の画一的な動きになります。
この動作を繰り返すことで動作精度を高めシュート確率を高めることができますが、今回取り上げた走り込みながらのシュートの場合、床からの反力を改めて受ける必要が減る・あるいは不要となります。
なぜ改めて反力を得る動作が減るかというと両足ジャンプの動きをイメージしていただければ分かりやすいです。
両足で跳ぼうと思うと1,2とステップを踏んで両足で跳びあがると思います。
このステップを踏む前に助走をしていくと思いますが助走から跳びあがるまでの動作がまさに走り込みながら3Pを放るためのシュート動作とリンクします。
つまり、ディップ動作による上下方向のみの力の伝達ではなく助走から跳びあがり動作のように前後方向から上下方向の力に変換する形でボールを飛ばすエネルギーを得られるので改めてディップする必要が減るというわけです。
ジャンプ動作のイメージがそのままボールに力を伝える動きになる
シュートするためのストップ動作の過程でエネルギーの方向を前後から上下に切り替えるキッカケができるのでボールを飛ばすためのエネルギーを走る動作から持ち込むことができるというわけですね。
更に、ストップ動作の強弱によって身体の重心をどのレベルで減速させるか調整できるのであえて完全に減速しきらず引用したCurryのシュート動作のように慣性に従って重心を前に流すように放ることも可能です。
重心を流しながらシュートするメリットとしてはストップ動作の減速局面を減らしより素早くリリースまで持っていける点と減速に大きな力、つまり筋力を使わないので疲労感が溜まりにくいという点の2つが大きなメリットです。
デメリットとしては前後方向の重心の流れの分リリースコントロールが難しくなることとボールと身体は流れ続けているので仮にDFが素早くクローズアウトしてきていると後出し動作で対応することが難しいことが挙げられます。
ただし、デメリットの部分はディープ気味に放るなどして対応可能ですし、DFとの距離感を見極め必要以上にDFを引き出せた場合はアウトレットパスで味方を活かすということも可能なのでピンチをチャンスに変えることもできる部分だと考えます。
今回の内容は普段バスケをしていると当たり前に実践している場合が多いので、何を今更、と感じると思いますが厳密にエネルギーの伝わり方や動作との関連を見ていくことでより細かく自分のスキルを向上させたり弱点を改善したりする際の指標を作りやすくなります。
原因を分析することができなければ改善点の抽出もできません。
同じシュート動作でもエネルギーの基となる動きは似て非なるもの、というのが理解できれば今回の内容はバッチリだと思います。
C&Rは得意だけどプルアップは苦手、といった場合にも参考になる内容なので是非練習の際は意識してみましょう。
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