[#48]【シュート動作】シュートマシーンに見る手の役割
EN-TRAINトレーナーのぱらとです。
この記事ではTwitterでの発信を深掘りしていくことで物理的な本質からパフォーマンスアップを図るお手伝いをしていきます。
取り上げるツイートはシュートマシーンCUE3の動きから見るそれぞれの手の役割について解説したコチラ。
ロボットでも人でもシュート時の手の役割は同じ
TOYOTA社が作製したシューティングマシンCUE3の動きに見るシュート動作における左右の腕の役割についてです。
試合中のシュート確率を高めるという事象は全てのバスケットボールプレイヤーにとっての命題であり永遠に終わらない課題でもあります。
人間である以上、その日の調子や相手の戦術によって確率は大きく変動してしまうので製造機械のように「常に〇〇%前後の確率」というようなことはできません。
本来は40%の確率で入るプレイヤーでも試合によって20%だったり50%だったりブレてしまうわけです。
そのため、常に精度向上を目的に練習およびシュートフォームの調整を行うことで最低の確率を引き上げて試合では満足なパフォーマンスが出せるようにしているのがスポーツ選手の現状です。
少しでも効率よく精度を向上させるために多くのプレイヤーや指導者が試行錯誤しながら練習やシュートフォーム理論を確立させ実践・情報発信しています。
世の中にあふれているシュート理論の数々はそれ自体は筋が通って一定の効果がある、と言えるものばかりです。
様々な理論があふれるのは人の身体の構造が少しずつ違うので画一的なフォームというのが存在しないことが大きな理由です。
多くの情報が錯綜する中人間の基本的な構造上、物理的に避けられない要素というのが存在します。
それが今回引用したCUE3の動きから見えてきます。
今回見ていく要素とはそれぞれの腕でシュート時の役割をキチンと分ける、ということです。
それぞれの手で役割が分かれることでより高い精度を目指せる
具体的には右手がリリースハンド(前に飛ばすエネルギーを伝える役割)、左手がホールドハンド(右手がボールを押し出し始めるまでボールを支える役割)に分かれます。
このように分けるのは1つの部位に複数の役割を担わせるのは動作精度が落ちやすいためです。
数値的なイメージとしては1つの腕が担える動き(役割)が100あるとしたら
リリースの役割:右手60左手40、ホールドの役割:右手30左手70
とするよりも
リリースの役割:右手100左手0、ホールドの役割:右手0左手100
とした方がシンプルに動作を遂行できるのはイメージできると思います。
(数値は参考値であり、実際は理想的な動きでも90:10のような割合になります)
シンプルな動作ほど各部位はその動作に集中できるので動作としてのブレが少なくなり結果的に精度が向上するというわけです。
人の身体は前者のような複雑に役割を分担したような動きも遂行できてしまう高度な作りをしています。
ですが、機械と一緒で複雑になるほどエラーを起こす箇所が増え調整する部分も増えて操作が難しくなってしまうので役割はシンプルにするのが精度向上に繋がりやすいです。
多くのプレイヤーはシュートを打つときに腕がそれぞれの役割をどのような配分で担っているかまでは意識せずにシュートを放っていると思います。
筋肉や骨の動き1つ1つに意識を行き渡らせて動くことは動作効率として悪いのでシュートのように連動性が求められる場面では自然な事です。
そのため、動きの中でシュートを放る際、右手にも保持の役割を一部担わせたり、左手にもリリースの役割を一部担わせたりするプレイヤーが当然います。
トップレベルの選手ではそのような役割分担が十分にできているため、腕の役割が分担しきれていないフォームでも40%以上の確率で3Pを沈めたりできる場合もあります。
それができる適性があるかどうかを見極めるタイミングはどこかで設けても良いと思いますが、まずは役割をシンプルに分けるための調整をする方が近々での確率向上に影響が大きいのではと考えています。
ここでCUE3の動作を見ると、役割の分担はとても顕著で左手でボールをセット位置まで抑えておきリリースの際は完全に離した状態、そしてリリースは右手一本で行います。
それぞれの腕の役割が完全に分かれた状態でシュートを最後まで放る事ができています。
実際の人間のシュート、試合中のシュートの場合は流動的に身体も動いているので右手がボールを押し始めてある程度運動量を持つまで左手による保持が必要になるため左手のガイドが外れるのはリリースの最終局面に近くなります。
そのような視点でシュートの上手いトッププロの動きなどを見てみると自分のシュートフォームを改善する参考になるかと思います。
シュートフォームの改善では全体の流れも見ながらこうした細かい要素1つ1つを見ていくこと、物理的に避けられない部分を見ていくことで効率的な改善に繋がりやすいというのはこれまでの指導や自身の調整でも感じています。
是非参考に練習してみてください。
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