[#54]【基礎身体操作】スムーズな動きと重心移動の関係

EN-TRAINトレーナーのぱらとです。

この記事ではTwitterでの発信を深掘りしていくことで物理的な本質からパフォーマンスアップを図るお手伝いをしていきます。

取り上げるツイートはJames Hardenのステップムーブから見る重心移動と動きのスムーズさの関係について解説したコチラ。

トッププレイヤーの動きは滑らかで美しいのは筋力によるものだけではない

NBAのようなトップレベルのプレイヤーに限らずですが身体操作に優れフィジカルも十分に備わっているプレイヤーの動きは軽やかで流麗。

見ているだけでバスケが上手なんだな、というのが伝わってくると思います。

このようなレベルの高い動きを見て、こんな動きができるのはプロになれるような才能があるからと思ってしまうのは時期尚早。

動きの物理的な本質さえ掴んでしまえば近いレベルの動きを再現することはほとんどの人が可能だと私は考えています。

実際、引用したHardenの動きは身体の動きを筋肉によって無理やり制御しているわけではありません。

いくらHardenのようなフィジカルのある選手でも100㎏以上ある身体が左に動こうとするのを無理やり右に切り返すのは流麗な動きとは言えず、どちらかというとトレーニングとして行うランジ動作のようなもったりとした動きになってしまうはずです。

しかし、Hardenの動きを見ると重さを感じさせない軽さがあるのは明らかです。

この動きを再現するためのポイントは身体の重心移動を動きたい方向にコントロールすることです。

重心移動のコントロールがうまくなると動きが軽くなる

左右の切り返しに限らず前後の動きや上方向にジャンプするような動作でも言えますが身体の重心が動こうとしている、あるいは動いている方向と逆方向の力をかけると重心を一度減速⇒停止させてから力を掛けた方向に重心が動き出します。

この減速・停止の局面が動きの中で挟まる事でもったりした重たい動きになってしまいます。

尚且つ行きたい方向の加速の前に減速・停止で大きな力を使うので筋力的にも消耗して無駄に疲労してしまいます。

逆に重心が動き出している方向に力を掛けるとすでにその方向に動く力が働いているので軽い力で動かすことができますし、力をかけることでより加速させることもできます。

引用したHardenのステップスライドの動きを見てみましょう。

一度右にホップした動きからステップすることで減速・停止の局面がなく流れるようにスライドできているのでシュートリリースまでが一連の流れとして繋がっています。

ホップした方向にスイッチフットから追加でステップスライドする動きは年代に関わらず導入しやすい動きで誰でも習得できる軽やかな動きの1つだと思います。

この動きだけで相手を躱すことはできないと思いますが重心移動に合わせた力の掛け方を覚える、という点でこの動きを練習することはメリットが大きいです。

引用したHardenの動きのように既に動いている重心に合わせられなくても重心移動の初動(きっかけ)を作ってさえ上げられればトレーニング的な動作のようなもったりした動きから解放された無重力感のある動きは作り出しやすくなります。

NBAレベルの選手達はこれを接地荷重のコントロールで絶妙に行っているのでどの体勢・どの動きからでも軽く動きことができています。

日本では接地荷重というと両足で均等に荷重をかけることを動作の中で要求してしまいがちですが、その場合は重心はどの方向にも動き出すことができない状態なので動きは遅く・重くなりがちです。

重心の動ききっかけを作るには両足均等荷重の安定な状態ではなく、不安定な状態にする必要があります。

例え両足で接地していても荷重は片足にほとんど乗っている状態を作って動きのきっかけを作る事が求められます。

身体操作が極まってくると身体が動いている方向と重心の移動しようとする方向を局面によっては矛盾させることも可能です。

そのような観点でトップレベルの選手の動きを見ると軽やかで美しい動きを習得するヒントになると思いますので是非参考にしながら練習に取り組んでみてください。

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