[#16]【基礎身体操作】動作精度が高い、の本当の意味

EN-TRAINトレーナーのぱらとです。

この記事ではTwitterでの発信を深掘りしていくことで物理的な本質からパフォーマンスアップを図るお手伝いをしていきます。

取り上げるツイートはKobeの動作精度が高いことを解説したコチラ。

スポーツにおける精度が高いの本当に意味

スポーツ動作に限らず精度が高い(良い)という言葉はよく使われますが使われる場面や対象によって言葉の定義というのはちょっとずつ変わってきます。

例えば機械加工によって作られた物の精度が高いというと狙った寸法からのズレがほとんどない(大抵1/100mm単位のズレ)ということを表しますし、証券市場での経済指数の予測精度が高いというと出した予測にかなり近い指数の結果が得られるということを表します。

スポーツ動作においては精度が高というと目的の動作を何回やっても正確に同じようにできるという意味で使われることが多いように感じます。

しかし、実際のスポーツの場面で目的動作を同じように何回でもできるというのはパフォーマンス面で見ると精度が高いとは言えません。

何故なら、スポーツ動作の場合、似たようなシチュエーションというのはいくらでもありますが全く同じ場面というのはほとんど起きえないので同じ動作をするだけだと動作の結果が同じように起きるとは限らないからです。

精度が高い≠同じ動作ができる、精度が高い=同じ結果になる

オフェンスがシュートを狙う場面で何かしら一連のムーブを行ってシュートを放る場面をイメージしてみましょう。

ムーブを行うプレイヤー自身の動きが何回やっても100%同じだとしてもDFの動きや味方の位置というのは毎度同じではないことは簡単に想像できると思います。

DFの動きや視界に入る味方の動きが毎度異なる以上、シュート確率も変動し30%の確率で入るボールの軌道になることもあれば60%で入るボールの軌道になることもあり得るということになります。

実際の動作では自分自身の動作も100%同じには動けないので少しずつ状態は変わってくるはずです。

こういった外的要因も含めてシュート確率では?と考えがちですが確率論的に考えるとボールの軌道が変わるということは同じ事象ではなく、確率がブレる(変動する)と見る方が自然です。

そのように見ていくと動作が同じでも動作結果の確率が変動するというのは安定していない、つまり期待値が変わってしまってパフォーマンスの計算が当てにならないということです。

期待値を一定に保つには確率が安定していく必要があります。

スポーツ動作においては同じ動作をすることよりも同じようなシチュエーションにおいて同じ動作結果になるようにすることが求められます。

つまり、今回の深掘りの見方では"毎度微妙に異なるシチュエーションにおいて動作結果が同じになるように調整して狙った動作を完遂することができるレベルが高い"これがスポーツにおける"精度が高い"という意味になるということですね。

微妙なドリブル角の違い、触れるボールの面の違い、DFの守り方の違い、身体の疲労度の違い等々それらを瞬間的に判断しながら放ったボールの軌道が同じになるように調整する、これが求められる動作の精度です。

今回はシュートを例に出していますが、シュート以外の全ての動作でも同様の事が言えます。

現実的にはブレ(誤差)は発生しますが、動作結果の受け側(シュートならリングの大きさ)にも許容できるブレ(誤差)が存在するのでそこに収まる精度でパフォーマンスを発揮できるかどうかが重要と考えていただければと思います。

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