[#18]【シュート動作】ボールの回転は「かける」ではなく「かかる」

EN-TRAINトレーナーのぱらとです。

この記事ではTwitterでの発信を深掘りしていくことで物理的な本質からパフォーマンスアップを図るお手伝いをしていきます。

取り上げるツイートはシュート時のボールの回転は回転をかけようとしているのではなく回転が掛かっていることが正しいということを解説したコチラ。

シュートが美しくなる=確率が上がる本質を見る

シュートの上手い選手が放る、美しく高い弧を描き綺麗に回転しているボールを見ると「このシュートは入るな」という感じが見た目からして伝わると思います。

それを見て、シュート率を向上のため練習するときにシュートメカニズムから入るのではなくボールの軌道や回転を寄せるように見た目から入ってシュート練習をしてしまう方が一定数います。

これは他のスキル動作でも起きがちな見た目だけコピーして、動作の本質をトレースできていない典型的なエラートレーニングの一種です。

見た目のコピーが偶然動作の本質を捉えたものであれば最終的にパフォーマンスアップに繋がりますが、動作の本質を捉えていないためトレーニング効率としてはやはり良くありません。

また、見た目のコピーから入ったトレーニングが果たして効果的だったのか?という部分の考察が難しく次のトレーニングに繋げたり不調になった時の調整に利用したりするのが困難です。

それを避けるためにも動作の結果からトレーニングを考案するのではなく、動作の結果から動作の本質を捉えたうえでトレーニングを考えることが重要です。

手首は返すのではなく返る

話をシュート時のボールの回転に戻しますが、シュート時に回転が綺麗にかかるのは実は回転をかけようと動いているからではなく「きっちりボールを押しきる」動作でボールを飛ばすことができるから結果的に回転が綺麗にかかっています。

ボールに意図的に回転をかけようとしたとき身体の動作としてはボールに対して手を引っ掛ける(表面を撫でる)ような動作になると思います。

手首を大きく反らせてリリースの段階で反対に返す動きです。

この動きだとボールの重心に対して回転方向の力をかけるので強い回転する力がかかり、ボールは上手く回転してくれます。

そのため、シュート時は手首を大きく反らした状態でボールを頭上に挙上してリリースで強く返すことを指導されるというのはよく見かける光景です。

ですが、シュートというのは自分の頭上より上かつ遠くの位置にボールを飛ばさないといけないのでボールを水平+鉛直方向(ベクトル合成としては斜め上方向)にも力を出していかないといけません。

もちろん手首を返す動作の過程ではボールの重心を捉えた力も働くのでボールを斜め上方向に向かって飛ばすことは可能です。

しかし、それでは肩~前腕の筋力に頼って回転と飛距離を稼ぐことになり何本もシュートを打っているとあっという間に疲労して安定感のないシュートを放ることになってしまいます。

シュートの飛距離を稼ぐには大きな筋肉で楽にボールを動かす必要があります。

それを実現する動作が押し出す動作でボールを飛ばすことです。

シュートは押す動作

地面をしっかり足裏で捉えて押し出すことができれば1モーション、2モーションに関わらずシュート飛距離伸ばすのは容易、というよりも地面からの反力が必須です。

2モーションの方が肩~前腕の筋肉に頼る割合は大きいですがボールを飛ばす本質としてはどちらのモーションも同じです。

人の身体というのは良くできているもので手の平にある物体を押し出し続ける動作(指先をしっかりと伸ばす動作)をすると最終的に手は手首を起点に回転動作をすることになります。

この動作に合わせて手の平(手首の位置)から指先にボールが遷移する過程で勝手に回転する方向の力がかかるようにできています。

動作としては押し出し続けているので飛距離をだす十分なエネルギーがボールに伝わっていて、かつリリースのタイミングで勝手に回転方向の力もかかる。

その結果、楽に高い軌道で綺麗な回転がかかったシュートが放れるというわけです。

NBAのトップクラスのシューター達を見ていても力んで頑張ってボールを飛ばしているといった雰囲気は見た目からは全く伝わらないと思います。

これは腕の筋力が高いというわけではなく、身体の大きな部位を使って実際に楽にボールを飛ばしているからに他なりません。

シュート動作に限った話ではありませんが、何故そのような動きの結果になるのか?から動作の本質を捉えると本当に練習するべき動作というのが見える良い例が今回のシュート時のボールの回転のお話でした。

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