[#25]【接触動作】力のベクトルをずらし相手を躱すきっかけを作る

EN-TRAINトレーナーのぱらとです。

この記事ではTwitterでの発信を深掘りしていくことで物理的な本質からパフォーマンスアップを図るお手伝いをしていきます。

取り上げるツイートはLeBeron JamesのターンムーブでDFを躱す動きを解説したコチラ。

スタミナ消費の大きい接触動作をしないために

バスケをするうえで密着してくるDFが厄介な存在であることは一度は体験したことがあると思います。

特に引用した動画のようにポストムーブにおいてはリングに近い位置でプレイしたり、リングに背中を向けてプレイしたりするのでDFが密着してくる率が高いと思います。

こうした密着した状態から単純なスピードやパワーでDFを振り切るのは結構骨が折れるので無駄な労力を費やす割にシュートやパスなど次の動作はタフになりがち、スタミナ面で効率が良いとは言えません。

もちろん試合の場面によってはそうした頑張りは必要になることもありますが、試合を通して安定してパフォーマンスを発揮するという意味では消費の少ない動きで相手を躱したいところです。

では、消費の少ない動きで相手を躱すにはどうすればよいか?

この答えは沢山ありますが今回お伝えしたいのは動きのベクトルを相手と大きくずらす、ということです。

密着した状態というのはお互い身体にかかる細かい作用・反作用などは置いておくと同じ方向に力が働きます。

つまり、2人の身体が1つの物体のようになって動きます。

どちらか一方が相手を押し込むあるいは押し出せばその方向に一緒になって動くといった形です。

お互いの力が拮抗していれば動きません。

こうなるのはお互いがお互いに向かって力を出し合っているためなのでどちらかが出す力が急に小さくなったり大きくなったりすると1つの物体として動いていくにはバランスが崩れてそれぞれの身体で動くことが求められるようになります。

力の大小のコントロールによって相手のバランスを崩してこちらが有利に動くのも1つのアプローチです。

今回お話する力のベクトルをずらす、というのはお互いに向いていた力の向きを一方的に全然違う方向に切り替えることで動作行程のラグを作り出すことを目的にしています。

そうするとシュートを放るギャップを作ったりドライブを仕掛け直すスペースを作り出したりすることが期待できます。

力のベクトルをずらす

引用したLeBron Jamesの動きで解説していきましょう。

Jae Crowderがハンドチェックをしながら密着しているのでハンドチェックに対して体重を預け、Crowderの押し返す力を大きくさせます。

このときの力のベクトルはお互いに向き合っています。

押し返す力が大きくなるタイミングで体重を預けるのをやめることで一瞬お互いに力が掛からないタイミングを作りだすことができています。

このタイミングではお互いに力から解放されて次の動作を導入する余裕ができます、アプローチとしては先述した力の大小のコントロール部分です。

そのタイミングでLeBron Jamesはショルダーフェイクでロールターンを意識させることでCrowderの力の方向をLeBron James側(前側)からリング側(後側)に一度切り替えることに成功します。

この時、Crowderの力の方向(リング側)に対してLeBron Jamesの力の方向はニュートラルでどちらの方向でも仕掛け直せる状況です。

その後、再度LeBron Jamesが身体を預けてくる動きをしてきたのでCrowderは動きの方向(力のベクトル)をLebron James側に再度切り替えようとします。

そのまま接触があれば力の方向は再び向き合うことになります。

しかし、LeBron Jamesは身体を預ける動きをキャンセルして今度はロールターンをしてCrowderの押し返すために前側にかけた力を躱します。

躱した結果、リングに楽々アタックできたというわけです。

ずらしの選択肢は駆け引きの中で沢山ある

ロールターンは回転運動なので厳密に力のベクトルをずらすというよりはいなすといった方が表現としては良いかもしれません。

Crowder目線では前側にかけた力に対してロールターンで左側(エンドライン側)に力を切り替えられているのでついていく準備が整っていません。

LeBron Jamesの動きについていくためには一度前側に流れた身体を止めて方向転換してから後側(リング側)に動き出す必要があるので動作行程的にも既にリングに向かって加速しているLeBron Jamesに追いつく術はないということですね。

細かく見ていくとやり取りとしては細かく見えますが、大雑把な流れとしては一度接触して相手に押し返す力を意識させた後でその力の方向とは違う方向の動きを導入します。

そうすることで方向転換の動作行程のラグをDF側に作らせ相手を躱しやすくするというテクニックです。

原理的にはLeBron Jamesの動きはロールターンでなくてもアップ&アンダーの動きなどでもよかったというわけです。

そのあたりはDFとの駆け引き、自分の得意なプレイを選択するかどうかの範疇です。

今回解説したことを応用するとDF目線でOFを誘導して守りやすい動きをさせたりバランスを崩させてシュートを落ちやすくさせたりすることも可能です。

お互いがお互いの力のベクトルを探り合いながら駆け引きをするので状況に合わせて動きを選択する判断力が最終的には重要になってきます。

決め込んだプレイは対応力が欠如していてミスにも繋がりやすいです。

こうきたらこうするという引き出しを増やせるように普段から練習で色々な動きを試しておきたいところです。

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