[#28]【接触動作】空中で接触しても最後までシュートをしっかりリリースするには
EN-TRAINトレーナーのぱらとです。
この記事ではTwitterでの発信を深掘りしていくことで物理的な本質からパフォーマンスアップを図るお手伝いをしていきます。
取り上げるツイートはリムアタックにおいてDFと空中で接触しながらもしっかりとシュートを決めきるための身体操作を解説したコチラ。
バスケは接触ありきの競技
ペイント周りでリングにアタックする際は接触を伴うことが多いのがバスケットボールという競技。
引用した動画のようにDFもシリンダーを守りながら真上に跳んでコンテストしてくるというのはバスケをしている中で何度も経験したことがあると思います。
DFが腕を下ろしてきたり身体が流れながら接触してきたりする場合はファウルをもらうように動くことでOFとしての最低限の仕事は果たしたと言えるでしょう。
しかし、今回引用した動画の場面のように接触によるファウルがほぼならない事がわかっている場面で単純に身体をぶつけにいくとこちらのシュートがタフになるばかりでよろしくありません。
DF目線ではシュートがタフになるほど成功となりますが、OF目線で見たときにどうすればタフに接触する中でもシュートの入る確率を高める動きができるか?が重要になります。
接触がありながらもシュートをしっかり打ちきるためには接触の衝撃がボールに対して影響を与えないようシュートリリースに移行する必要があります。
ポイントとしては3つあります。
1つ目のポイントは接触まで我慢すること。
このシチュエーションでありがちなのが跳びあがってから接触の直前に慌ててリリースしようとすることです。
そうするとリリース動作途中に接触が入ってしまいボールに衝撃が伝わる可能性があり綺麗にリリースしきることができないというリスクを背負うことになります。
実はこうしたシチュエーションではしっかり接触するまで我慢をして接触の衝撃を上手く躱す方が動作としては安定します。
跳ぶ・ぶつかる・シュートすると3つの動作を同時にこなそうとせず別々の事象として対応することで意識面でも身体の物理的操作面でも対応力が上がるということを理解しておきましょう。
2つ目のポイントはシュートリリースは接触直後の停止局面ではなく落下の始点から始めること。
これはジャンプのスウィートスポットという言葉で解説している概念に当てはめた動作をしようということを指しています。
(スウィートスポットに関する詳しい解説は下記解説をご覧ください)
今回のシチュエーションでいえば跳びあがって接触するまでボールをリリース方向に動かさず我慢することで接触直後は水平方向にも垂直方向にも停止局面に強制的に移行します。
停止局面では一瞬運動中にかかる様々な力から解放されるのでボールを動かしやすいと思われがちですが、楽にリリースしようとするならその直後に始まる落下局面の移行し始めたときの方がボールは軽く動かすことができます。
これは実際に空中でバンプしながらシュートを試してみると分かりやすいですが、ぶつかった直後よりも一瞬待つとボールを押し出しやすいタイミングが見つかるはずです。
3つ目のポイントは接触ラインを意識すること。
空中での接触に限らずですが、接触に強くなる(バランスを崩さない)ためには点よりも線で、線よりも面でぶつかる方が受ける衝撃としては分散して崩れにくくなります。
肩で肘で腰でなどと点の意識で接触すると力が局所的になりやすく、意識していない部分で力を受けたときにバランスを崩しやすくなります。
左右から当たるときは膝-腰(骨盤)-肩-肘の縦のラインを意識できると良いですし、正面からぶつかるときは両肩と股関節(骨盤)で作る四角形の面を意識できると良いです。
NBAレベルでは当たり前に実践されている概念
引用した動画で解説していきましょう。
エンドラインのドライブから水平方向の勢いを使って両足踏切でリングを狙います。
DFもそれに対抗するためリングを遮るようにコンテストのためやや前方に跳びあがります。
この時OFはDFの動きが見えているので接触前提のフィニッシュになることを予見し、身体をリングに正対させず左側のラインを使ってボールを守りながら接触することを選択します。
接触によってお互いが向かい合う方向に力を発揮しているので作用反作用と運動量保存則、そして身体の衝撃吸収の関係で空中でお互いに密着しあって制止するような動きとなります。
一瞬の停止局面の後、お互いに落下を開始。
ここでDFが腕を振り下ろせばファウルになる可能性が高まるので基本的にはハンズアップ以上のことはできません。
OFは衝撃から解放されたことでスウィートスポットに嵌めてしっかりとボールをリリースしてシュートを決めきることができています。
実際の試合では接触をしないようにシュートを打つことも選択肢にいれておく必要はあります。
しかし、接触を避けられないシチュエーションにも対応できるようにしておくことでよりパフォーマンスとして高い次元で活躍できると言えるでしょう。
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