[#34]【基礎身体操作】リリース方向と反対に動く身体操作の難しさ

EN-TRAINトレーナーのぱらとです。

この記事ではTwitterでの発信を深掘りしていくことで物理的な本質からパフォーマンスアップを図るお手伝いをしていきます。

取り上げるツイートはCurryの横流れレイアップについて解説したコチラ。

身体の運動方向とリリース方向が違う操作は難しい

今回の内容はStephen Curryのトリッキーなレイアップ動作について。

今回のCurryの動作、実際に試してみるとわかりますが見かけ以上に難易度が高いです。

体感的にはリングに向かってボールを押し出しているのに思ったようにボールが飛ばせません。

狙いが狂うというわけではなく思った距離に届かせることが難しく、想定より大きな力を使って飛ばす必要があると分かります。

大きな力を使ってボールを飛ばす必要がでてくるのはボールと身体の相対速度が大きく関わってきます。

相対速度というのは1つの観測点から見た時の物体の運動速度を表しているものです。

例えば、立ち止まった状態でボールを速度Aで転がすと立ち止まっている観測者の私からはボールが速度Aで離れるように見えます。

更に観測者の私が速度Bでボールから離れる方向に歩きながらボールを観測すると速度A+速度Bの速度でボールが観測者の私から離れていくように見えるのが相対速度です。

今回取り上げたCurryの動きでいうと観測者はリングにするとわかりやすいです。

もし、Curryのドライブがリングに対して並行なラインで進んでいるとするとリングに対して近づく一方の動きになるのでCurryのドライブ速度でリングに近づいてくるように観測することができます。

しかし、今回の動きではコートを斜めに横切るようにドライブしているため縦方向ではリングに近づいていますが横方向ではリングから離れるような動きになります。

つまり縦方向に近づく速度から横方向に離れる速度を差し引いた速度でリングに近づいていく動きとなっています。

意外に思うかもしれませんがバスケにおける多くのムーブはリングに対して近づく方向の成分で動きが構成されています。

フェイドアウェイシュートのように離れていくムーブもありますが、基本的には近づく動きをしながらリングに対してボールを飛ばしていく動きをすることになります。

近づきながらボールを飛ばすということはボールに伝える速度は身体がリングに近づく速度分を加えた形で見ることができるので無意識化で省エネしながらプレイしているということもあるわけです。

必要なエネルギー量が大きく変わるムーブ

それが、今回のムーブでは一見リングに近づいているようで離れている動きです。

そのため、本来リングに向かってエネルギーを持ってくれていた身体がリングに近づいているようでエネルギーの成分としては逆にマイナスとして働きます。

無意識のうちにボールに伝えるエネルギーでは足りず余計なエネルギーをボールに伝えて飛ばさないとエネルギー不足で飛距離が足りなくなるのでCurryの動きを真似するとボールを飛ばしにくいと感じるわけです。

実際に必要になるエネルギーはボールが手から離れれるタイミングのリングとの距離分を飛ばす+身体がリングから離れていく勢い分のエネルギーとなります。

これをリリース開始時にはよりリングに近い状態から意識してコントロールしながらボールにエネルギーを伝えなければならないと考えるとこのムーブの難易度の高さが理解できるでしょうか。

更にいうとCurryのリリースは右サイドから右手で行っているので上体を回旋させる動きにあわせてボールにエネルギーを伝えるので更に難易度が高まる動きです。

意識が実際の身体の動きとリンクしていればしっかりとコントトールできる動きではありますが普段の動きとは意識がかけ離れやすい動きなので難易度が高いと解説させていただきました。

こうしたシチュエーションでパフォーマンスを発揮するのにこのムーブを特別練習するよりも動きに対する意識の追従ができるかどうかを重要視して練習すると瞬間的な発想が求められる試合でも良い動きができると思いますので頑張って練習していきましょう。

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