[#45]【バッシュ解説】バッシュの機能的耐久性と構造的耐久性

EN-TRAINトレーナーのぱらとです。

この記事ではTwitterでの発信を深掘りしていくことで物理的な本質からパフォーマンスアップを図るお手伝いをしていきます。

取り上げるツイートはZion Williamsonがバッシュを破損した事件に見るバッシュの耐久性について解説したコチラ。

バッシュは履かなくても時間と共に劣化していく

バスケではシューズを履いてプレイするわけですが以前の深堀でもお話しした通り、高分子材料によって構成されているバッシュは使用のたび、時間経過のたび徐々に劣化していきます。

これは不可逆的反応なので回復することはなく、構造上修理することもできません(補修は可能)。

そのため、パフォーマンスの発揮・怪我の予防の観点んからバスケで履くシューズの寿命の見極めは非常に重要です。

寿命を見極めるにはモノとして見たときの耐久性についての理解を深めておく必要があります。

バッシュの道具としての耐久性は2種類の観点で見ていくと判断しやすくなります。

2つの観点とは機能的に見た耐久性と構造的に見た耐久性です。

文字から大体の予想はできると思いますが機能的耐久性はバッシュとして期待されるパフォーマンスをプレイヤーに提供できる限度を表す耐久性。

構造的耐久性はシューズとして期待される足を覆う最低限の機能を着用者に提供できる限度を表す耐久性です。

普段私がSNSで発信する情報でバッシュの耐久性として発信している内容は機能的耐久性に関するコトが多いです。

基本的にバッシュはバスケで着用して性能を提供してくれるのが本来の役割と考えているからです。

なので構造的耐久性の限界を迎える前に機能的耐久性を迎えることが多いバッシュでは構造的耐久性について言及することは少ないです。

モデルにもよりますが機能的耐久性の限界を迎えてもシューズとしての構造的耐久性はまだまだ先の場合がほとんどです。

そのため、利用強度を下げることで機能的耐久性はまだ限界ではないと判断することもできます。

例えば、試合で履きたいGo To Shoesでしての役割はバッシュにもよりますが3~10回程度が限界です。

つまりGo To Shoesとしての機能的耐久性の限界というわけです。

機能的限界は目的動作の強度によって基準が変わる

しかし、軽めの強度の練習メニューやオフコートで歩き回るような用途であればまだまだ機能的には十分な性能を発揮してくれると判断できればサブシューズとしての機能的耐久性やオフコートシューズとしての機能的耐久性の限界は迎えていないと判断することができます。

このように観点は同じでも判断基準はその時々、シューズごとに見極めることでモノとしての天寿を可能な限り全うさせることができると言えます。

構造的耐久性の限界は破損や損耗によるシューズという道具として最低限の足を覆う機能すら満足できないような状態を指しますのでバスケにおいてそのような状態になるまで履くことは避けたいところです。

とはいえ、見かけ上では問題なさそうに見えても引用したZionのシューズ破壊のように一瞬の力によって大きく破損してしまうということも起きえます。

これを完全に避けることは難しいですが少なくとも機能的耐久性が限界を迎えていれば構造的耐久性の限界が見えてくると考えれば機能面での劣化は敏感に察知して判断できるようにしたいところです。

普段から身体の情報感度を上げて練習に取り組むことでリスクを低減できることは間違いありません。

機能的耐久性の限界を迎えて即シューズを買い替えるとなると経済的な負担も大きいですが、複数足のローテやソックスの重ね履きによるフィッティング向上などによって劣化を最小限に留める工夫も効果があります。

シューズの履き方や取扱についてお悩みの場合は是非一度ご相談いただければと思います。

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