[#49]【接触動作】押し負けないDF接触の仕方
EN-TRAINトレーナーのぱらとです。
この記事ではTwitterでの発信を深掘りしていくことで物理的な本質からパフォーマンスアップを図るお手伝いをしていきます。
取り上げるツイートはDraymond GreenのJokicに対するDFでの接触の仕方について解説したコチラ。
バスケは接触の多いスポーツ
バスケをするうえでOF/DF、オンボール/オフボール関係なく接触という現象が頻繁に起きる競技です。
接触に弱いとリーガルDFポジションを取っていてもファウルをコールされたりOFにプレッシャーを与えられず簡単にシュートを決められてしまったりするので身体の強さというのはバスケでは高いレベルを要求されます。
身体を強くする、というとウエイトトレーニングなどで筋力UPを図ったり単純に体重(質量)を増やしたりすることで向上を狙うイメージが強いと思います。
しかし、身体を作り変えることは非常に時間がかかるうえ実際のプレイ中にその身体を活かした動きができなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。
そういう意味でどうやって接触するか?つまり、コンタクトするスキルについて理解を深め実践することで相手に「この選手は当たりが強い」と思わせやすくなります。
接触に関する深掘りはこれまでの解説で何度か取り上げているのでなんとなく理解をしていく方も多いと思います。
接触に対して理解しておきたい大事なポイント
今回の解説で更にコンタクトスキルについて理解を深めていただきたいポイントとしては"相手の力の最大発揮域で押し返さない"というのがあります。
身体の構造上、移動するために水平方向に発揮する力は一定の大きさではなく力の大きさは上下しながら力を発揮することになります。
最大になるのは身体が最も加速できる局面で地面を押して股関節が伸びあがるタイミングが最も力を発揮できます。
文章中だと身体の動きがイメージしにくいかもしれませんがジャンプ動作に置き換えると跳びあがる前の縮み切った局面と地面から浮き上がる伸びきった局面は発揮される力の大きさとしては最も小さい局面になります。
跳びあがるために伸び上がる局面で力の発揮としては山なりのグラフを描くように力が発揮されるというわけです。
力の収束点に合わせた接触で大きな力を伝える
力の大小が発生することを独自に力の始点と収束点と呼んでコンタクトスキルについてレクチャーする際は理解をしてもらうようにしています。
これを水平方向の移動に話を戻すと重心コントロールの仕方によっては移動方向に対してマイナス方向に力を発揮することもあるので人の身体で一定の力を継続して掛けるというのはできないということをまずは理解しておきましょう。
この一定の力がずっと発揮できない、というのが当たり負けしにくい接触をする上でのキーポイントになってきます。
移動する推進力が衝突力に繋がるので推進力が大きいほどぶつかったときの衝撃が大きくなり、身体のサイズ差や骨格差をモロに受けます。
推進力が大きい=力の発揮が最大化しているとも言えるのでこのタイミングで接触するとそれを受け止めるのに大きな力を必要として効率的はとは言えません。
なので相手を押し返す・動きを止めるということをしたい場合は力の始点や収束点の所で強くあたりにいけると相手としては重たい・強いと感じやすくなるわけです。
ここで引用したDraymond GreenのDFの動きを見ていただきたいと思いますがJokicのバックダウンに対して動きを止めるための大きな力はJokicが力を出し切って一旦収束するタイミングでかけていることが分かります。
こうすることでポジションとしては押し込めているにも関わらず感覚として押し込めていないと感じているためか、Jokicの重心バランスはGreen側に偏っています。
そのため、接触に対してより大きな力を発揮しなければならないと感じ、力みの強い接触に傾向していくことで動きに柔軟性が失われてしまいました。
その結果、接触荷重としては大きな労力を発揮せず重心がフリーなGreenは簡単に手を出していくことができています。
また、動画の後半では私が練習中に力の収束点のポイントを活かして接触することで相手の動きを抑えてボールをチップするところまで再現しています。
私がDFしている相手は私よりも10cm近く大きく体重も近くストレングスのある選手なので単純にぶつかっていくと小さい私は不利です。
しかし、力の収束点に合わせて接触することで押し込みにくさを感じさせて相手に力みが出たところで手をだすことでボールをチップしに行くことができています。
プロ選手でも筋力や質量に頼った接触が多くみられる中でコンタクトスキルをマスターすることは小さな労力で大きな力を相手に伝えることができるようになります。
消耗も少なくなり結果的にパフォーマンスアップ・選手生命の長寿命化に繋がります。
バスケ自体が比較的強度の高いスポーツであることから試合で活躍することだけでなく長くバスケを楽しむという点でコンタクトスキル習得に取り組むことは非常に有用であると考えています。
是非今回の内容を参考に練習に取り組んでみてください。
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